自動売買取引におけるトレーダーの役割は「監督」

・トレーダーとシステムの役割分担
システムトレードツールを稼働させると、エントリーから決済まで全作業をコンピュータが24時間体制で代行してくれます。極論、トレーダーが何もしなくても利益がどんどん増えていきます。取引のタイミングがよくわからないビギナーにとって、システムトレードツールは便利なことこの上ありません。

裁量トレードとシステムトレードでは、トレーダーの役割が全く異なります。裁量トレードの場合はトレーダー自身が市場を観察して売買のタイミングを判断する必要がありますが、システムトレードではシステムがマーケットと向かい合ってくれます。裁量トレードほど高度な相場観がなくてもシステムトレードで稼ぐことは難しくありません。

トレーダーの仕事はシステム選びと資産管理

それでは、トレーダーはシステムトレードで何をすべきなのでしょうか。
一つ目の仕事は、「利回りの良いシステムを選んでポートフォリオに追加していくこと」です。そして二つ目の仕事は、「成績の悪いシステムをポートフォリオから解除すること」です。

システムトレードツールにアクセスしただけでは自動売買は始まりません。トレーダー自身がいずれかのストラテジーをポートフォリオに登録する必要があります。このとき、どのストラテジーを追加するかによってその後の収支は大きく変化します。多額の利益を狙える優秀なストラテジーを吟味することが重要です。

また、ストラテジーを追加したからといって必ずしも利益が出るわけではないということにも注意しなければなりません。レンジ相場にトレンド追従型のストラテジーを適用しても、収支が伸びないばかりか損失が膨らむ恐れがあります。完全無欠のストラテジーなど存在しないので、運用成果が低下していると判断したら速やかに現在の相場状況に合わないストラテジーを削除する必要があります。

システムトレードの場合、通貨ペアだけでなくシステムそのものが投資の対象と考えるべきです。

優秀な「プレイヤー」ではなく「監督」になろう

システムトレードをスポーツに例えると、トレーダーは「監督」の立ち位置です。作戦や選手の交代を指揮するように、システムをうまく駆使して利益を追求していきます。

裁量トレードではトレーダー自身が選手としての役割も果たさなければなりませんが、システムトレードではコンピュータがその役割を代行します。自らが動くのではなく、システムを上手に動かすためのマネジメント力、すなわち采配が重要です。

スポーツの分野でも監督によって戦い方が全く異なるように、FXの取引手法に一意的な正解はありません。早期決済型のストラテジーで細かく利益を積み重ねるもよし、あえて荒れ相場に手を突っ込んでリスクを覚悟で多額の利益を狙うもよしです。

システムトレードでは、監督の役割に集中できるため、よりストラテジーの選択に集中することが可能です。

プレイヤーも兼務しなければならない裁量トレードでは、戦略そのものに最大限の注意を払うことはできません。システムトレードにはこのようなメリットもあるのです。創意工夫を重ねながら、システムトレードの名監督を目指しましょう。

よいシステムを見分けるにはどうすればよいか?

最適なシステムを選択するためには、どのような点に注目すればよいでしょうか?
まず1つ目は、損益グラフが滑らかに右肩上がりであるかどうかを確認します。最終的な利益が大きいかどうかよりも、滑らかな資産増加曲線を描いていることが、優秀なシステムの条件です。

滑らかな右肩上がりとは、最大ドローダウンが少ないこととも言い換えられるでしょう。最大ドローダウンは、そのシステムで売買し続けた際、一時的な損益の落ち込み(損失)のことを指します。

この落ち幅が大きいことは、システムとしてハイリスクハイリターンであることを表します。さらに、バックテストテストの成績が信頼できるものかどうかも疑わしくなります。ちなみに、最大ドローダウンの大きいシステムは、トレードを続けていく過程で、一時的にスタート時の金額すら下回る可能性も大きくなる点に注意しましょう。

2つ目のポイントは、「中長期」においてシステムが優秀であることです。 一時的に成績がよいからといって、その成績を長期にわたって維持できるとは限りません。短期間しか成績がよくないシステムを排除するためには、バックテストなどの段階で中長期(90〜180日以上)にわたって結果を残し続けているかどうかを確認しておくことが効果的です。

それより短い実績しかないシステムは、どんなに成績が優秀でも、多額の投資をすることは避けましょう。

3つ目のポイントは、現在、トレンド相場orレンジ相場のどちらかであるのか? 常に意識し、それに合わせたシステムを選択することです。よいシステムは、どんな相場環境でもよいシステムであるわけではありません。その部分をうまく調整できるシステムトレーダーこそ、名監督ということができるでしょう。

悪いシステムを見分けるにはどうすればよいか?

自動売買を行なう上で大切なのは「悪いシステムを外すこと」です。悪いシステムを見分ける基準はどこにあるのでしょうか?

1つ目は、最大ドローダウンが大きいものは悪いシステムということができます。 一時的な落ち込み(損失)幅である最大ドローダウンが大きいとハイリスクです。しかしそれだけではなく、過去のバックテストにおける最大ドローダウンは「システムの損切り」の基準でもあります。

つまりドローダウンの大きなシステムを採用していると、システムを中止する目安もその分広くとることになってしまいます。

2つ目のポイントとして、カーブフィッティングが行われているシステムは悪いシステムと判断しましょう。 カーブフィッティングとは、過剰最適化のことで、過去のバックテストの成績がよくなるように意図的に数値を変化させることをいいます。

システムにとって重要なのは、あくまで「未来」において利益を生めるかどうかであって、過去ではありません。 過去のバックテストに過剰に最適化したシステムを見分けられるかどうかは、そのシステムの良し悪しを見分けることの基本的な要素です。

この部分についての観察眼を磨いておきましょう。 悪いシステムをポートフォリオから外したら、よいシステムと交代しますが、その際の新しいシステムは、場合によっては自作することも検討しましょう。 よいシステムと悪いシステムとを見分ける名監督に近づくにしたがって、「こんなシステムがあればよいのでは?」というアイデアや、相場(チャート)のクセを発見するかもしれません。

それに対応したシステムを自作できるようになれば、さらにステップアップできるでしょう。



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