どのくらいの損失までそのシステムを使い続けるべきか?

勘に頼りがちになる裁量トレードを卒業し、実際の相場のバックテストに基づいたシステムトレードを実践している方もいるのではないでしょうか?そして、うまく利益を確定させているトレーダーもいれば、いまだ成果に結びついていないトレーダーもいるはずです。システムトレードは、裁量トレードよりも「儲かる」「安定した利益を出せる」と主張する専業トレーダーもいます。

しかしそれは、あくまで「よいシステム(売買ルール)」での取引に限ります。裁量トレードにも上手いトレードとそうではないトレードがありますが、それはシステムトレードについても全く同じ。システムトレードを導入したからといって、利益が保証されているわけではありません。だからこそFXは難しいのです。そして、時間と手間をかけて検証したシステムでも、利益が出せないならバッサリと切り捨てる潔さが必要です。その際、1つの重要な判断を迫られることになります。「成果が上がらないシステム(バックテストだけ成績のよいシステム)の見切りをどの段階でつけるか?」という判断です。

バックテストでは成績がよかったのに実際のトレードで損失を出す場合、2つのケースが考えられます。1つは、一時的に損失を出しているもののその後利益がしっかり乗ってくるパターン。もう1つは、バックテストの結果がたまたまよかっただけ、もしくは過去と相場環境が変化しているなど、システム自体がよくないパターンです。どちらのパターンなのか?その判断は非常に難しいものですが、これを判断する基準はしっかり存在します(後述)。

そもそも裁量トレードでは、その場に応じた臨機応変な対応に頭を抱えがち。感情に左右されて苦しんでいる方も多くいます。それを避ける意味でシステムトレードに取り組んだにもかかわらず、ふたたびシステムの良し悪しの判断に頭を抱えるなんて…と感じるかもしれません。が、やはりFXの勝利に近道はないということです。システムの良し悪しを判断できるようになってこそ、よいシステムトレーダーといえます。それでは、損失が発生している売買システムを使い続けるべきか?それとも中止すべきか?という判断はどのようにすればよいのでしょうか?

最大ドローダウンの範囲内で任せてみよう

そのシステムを使い続けるか否かについて、オススメの考え方は「最大ドローダウンの範囲内であればシステムに任せてみる」というものです。最大ドローダウンとは、過去に実施したバックテストの結果、一時的に発生した最大の損失(下落率)のことです。バックテストはそのシステムが有効かどうかを過去の相場を元に検証する作業。たとえば、そのバックテストで発生した一時的な下落が10%であれば、現実のトレードにおいても10%以内の損失は想定内という考え方です。

10%を超えてくるようであれば、そのシステムの有効性が薄れていることが考えられます。しかし10%を超えていないのに「さらに損失が広がるのではないか?」と過剰に心配するトレーダーも多くいます。過去のバックテストが信頼できるものだからこそ、現在、そのシステムでトレードしているのではないでしょうか?それならば、もう少し落ち着いてシステムを信用してみるのも1つでしょう。

そもそも、現在話題のFX自動システムトレードですが、なぜこのようなものが作られたのでしょうか?相場を常に見るのが面倒だから、自分のかわりにとりくんでくれる相場ロボットのようなものが欲しかったからでしょうか?

もちろん、24時間開かれる為替相場を常に見る必要がないことも大きなメリットですが、自動システムトレードの最大の長所はそこにあるわけではありません。

たとえば、FXをここ10年ほど取り組んでこられた方ならわかっていると思いますが、2005年ごろまでは、FXはほぼ単純に外貨を買う、という方法で儲かった時期がありました。最近と違い、円安が基本トレンドだった期間です。このころは、外貨高と同時にスワップポイントも得ることできたのですから、FXというのは実に単純でもうかる相場だったのです。

ところがその夢を打ち砕いたのが例のリーマンショックです。ここから大きくトレンドが変わり、FXは円高ないし持ちあいになり、単純に外貨を買えばいいというものではなくなりました。こうなると、なかなか自己判断では儲かりません。むしろテクニカル指標だけに依拠したトレードの方がトータルとしてもうかる場合が多くなりました。それを徹底させ完全自動化させたのが自動システムトレードなのです。

もっとも、どんな自動システムでも常時勝てるわけではありません。システムを選ぶということは検証段階から程度の負けを織り込んでいるはずなのです。ですから、たとえ、ひやひやする場面にぶつかったとしても、せめて過去にあった最大ドローダウンの範囲内なら、そのままシステムに任せるべきなのです。

そして、いくつかのシステムを組み合わせ、ポートフォリオのようにして相互に補完する関係をつくれば、一つのシステムが想定外に損失を出しても、全体が大きく傷つくことはないわけです。悪かったその一つシステムについては改めて検証し直し、入れ替えるなり改善するなりします。

そうやって二重三重の防御壁を作りながら、長期にトータルとして利益を上げるというのが自動システムトレードの考え方です。それでもこれ以上、ひやひやする場面を見たくない、という方なら、もはやポジションを減らしていくしかないでしょう。

しかし、それによって優秀なシステムに見切りをつけることになれば、大きな損失です。そうならないためにもやはり、「最大ドローダウンの範囲内であればシステムに任せてみる」という基準が必要ではないでしょうか?

損失の拡大がどうしても不安な方はシステムを見直してみよう

バックテストの結果、利益がしっかり発生するシステムだとしても、やはり不安はつきものです。たとえば最大ドローダウンが50%にも及ぶシステムが有力だとしても、実際のトレードにおいて50%のドローダウンまでシステムに任せるのは大きな決断です。もしドローダウンの後利益が付いてこなければ、そのままそっくり損失になってしまいます。

もちろん、「最大ドローダウンが大きいものの、バックテスト成績がよいシステム」を採用するか否かはそのトレーダーにゆだれられます。しかし、不安になってしまう方など、場合によっては最大ドローダウンの小さいシステムを採用したほうがよい場合もあります。なるべく資産の増加曲線が滑らかな安定したシステムを採用することで、最大ドローダウンをオーバーした際の「システムの損切り」を近くに設定することが可能です。利益を生むシステムよりも安定しているシステムを採用するのも勇気が必要なことですが、新しい視点でシステムを考えることも大切です。検討してみてはいかがでしょうか?



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