統計に絶対は無いということを認識すべし

・統計分析の「危険率」
ミラートレーダーに実装されているストラテジーは、過去の損益データを閲覧できる仕様になっています。期間内に何回取引したのか、どれだけの損益を出したのか、各種データを見れば有用なシステムとそうでないシステムを見極める際に役立ちます。

特に重要なのが、「プロフィットファクター」と「取引回数」です。プロフィットファクターはシステムの積み上げた利益額を損失額で割った数値であり、このパラメータが1より大きければ自動売買で黒字を見込めます。取引回数が多いほどプロフィットファクターはシステム本来の実力に収束する傾向があり、おおよそ100回時点で1.5以上を維持できれば優秀と見なせます。中には、プロフィットファクターが10以上のストラテジーも存在することもあります。

しかし注意点として、このようなストラテジーを検討する前に必ず実力を反映した数字かどうかを見極めましょう。プロフィットファクターの数字が大きいほど優秀な数字であるなら、これほど単純なパターンはありません。しかし、そんなに簡単でないところに統計の難しさがあるのです。プロフィットファクターは、あくまで「今までの成績を表している」ものに過ぎません。

特に100回未満の少ないトレード回数では、いくらプロフィットファクターがよくても偶然にすぎない可能性も大いにあります。ストラテジーのシステム数は星の数ほども存在するため、優秀ではないシステムが100回未満のプロフィットファクターで3以上となるのはまったくめずらしくないと心得ておきましょう。

プロフィットファクターが多いほどよいわけでないなら、どの程度の数値なら適切といえるでしょうか?これは一概にはいえませんが、総合的に考えると「2以上は疑わしい」と考えたいところです。トレード数が100回未満であるストラテジープロフィットファクターが3だったとしても、1000回到達時には限りなく1に収束していることがほとんどです。それほど「適正値として」プロフィットファクターが1を上回ることは難しいことなのです。その数値の信頼性を考えるのであれば、プロフィットファクター1.5もしくはそれを少し上回る程度が限度ではないかと思います。

またこのことからわかるのは、、統計的分析はあくまで一部のサンプルデータをもとに全体を類推する手法であり、完璧ではないということです。時には、非力なシステムを優秀なシステムと誤認してしまう可能性があります。これを統計分析の「危険率」と呼びます。

上述のプロフィットファクターは、これまでの成績を元に今後の成績を予測する行為であることから、統計分析の考え方が当てはまります。危険率は、「統計に基づいて行った選択(FXであればプロフィットファクターに基づいたストラテジー選定)が誤りである危険性」を指します。危険率は低いほうが好ましいといえますが、実際、一部しかサンプルしていない分析において危険率0%はありません。

このことからわかるのは、当たり前のようですが「プロフィットファクターを含むどのような指標を用いて分析したところで、最適なストラテジーを確実に当てることはできない」ということです。では、FXのシステム選定における危険率とはどの程度なのでしょうか?一概にはいえませんが、たとえば危険率が2.5%の統計分析の場合、40回選択して1回間違う程度の失敗率です。その気になればもっと危険率を下げることも可能ですが、その場合パラメータの条件が厳しくなりすぎてシステムの選別そのものが難しくなってしまいます。

従って、危険率を必要以上に恐れないことが大切です。

統計分析における「検出力の限界」

統計分析には「検出力の限界」があります。簡単に言うと、高利回りを期待できるはずの優秀なシステムを分析時点で見落としてしまう問題です。 上述のように、取引回数が所定値を満たしたうえでプロフィットファクターが一定値を超えていればそのシステムは自信を持って実力ありと判断できます。

しかし、その条件に達していないシステムの中にも安定して利益を積み重ねられる優れもののシステムは存在します。

どんなロジックのシステムにせよ、偶然のノイズの影響は受けるものです。偶然のノイズによって本来の実力が見えなくなってしまうと、せっかくの統計分析が逆効果になってしまいます。優秀なシステムを見落としてしまうのは実にもったいない話ですが、世の中には計算できないこともあるので諦めも肝心です。

統計分析の精度を上げるには

統計分析を活用すれば、「使えるストラテジー」と「使えそうにないストラテジー」を論理的に分けることは十分に可能です。けれども、100%の精度を期待するのはやはり無理があります。実力の乏しいストラテジーが残ってしまったり、使えるストラテジーが候補から消えてしまったりする可能性があります。

1回の分析で全てを判断するのではなく、定期的に統計分析の手法を駆使していくつかのストラテジーを選出し、自分の「引き出し」を増やすことが重要です。その中から複数のシステムを組み合わせ、自分のトレードスタイルに合ったポートフォリオを構築しましょう。

具体的には次のような方法があります。まず、統計分析を利用して見込みがありそうなシステムを絞り込みます。その後自身のポートフォリオに組み込んで少額で運用し、効果が出たものを採用し続け、そうでないものを弾いてきます。つまり、最終的なポートフォリオ配分までの判断のすべてをプロフィットファクターなど利用した統計分析に頼るのではなく、実際の試験段階を経て評価するということです。

基本的な方針として、統計分析に凝りすぎるわけでもなく、感覚に頼りすぎるわけでもなく、そのちょうどよいところを狙っていきましょう。そもそもFXの本質は利益を得ることに他ならないので、統計分析はその手段に過ぎません。しかし中には統計分析に凝りすぎて本質を見失ってしまうトレーダーもいるものです。統計分析に絶対はなく、その判断にも限界があるということを認識してうまく付き合っていきましょう。





>> 人気ランキングを全部見る

タイプ別・自動売買ツール

自動売買ツールを使いこなせ!

FX自動売買体験談

FX業者一覧